「真我への目覚め」
【2】 西洋の物質主義
この問題については、少しずつ、網をひきしぼっていって考えてみました。明治のはじめに、日本は、ぐずぐずしていては、ロシアとかイギリスとかアメリカとかフランスとかに、侵略されてしまうかも知れないと、それを非常に恐れました。大体、明治維新は、主として、この恐れのために起こったんだろうと思いますが、ともかく、明治の初めにそう思った。
で、それを防ごうというので、大急ぎで、西洋文明を取り入れた。余り急いで取り入れたために、よく吟味しなくて、西洋文明とともに、物質主義をも取り入れてしまった。
物質主義というのは、物質によって、全て説明できるとしか思えないことです。物質によって、全て説明できると思う、ここにとどまるのでしたら、物質思想ですが、そうとしか思えないというのは物質主義、イズムです。その物質主義をずっと持ち続けたまま、今日に至った。
終戦後、それが一層強化されて、国の旗じるしに掲げられ、それによって、憲法、法律を作り、それによって、社会通念を作り、それによって、教育原理を作り、それを守り続けて今日に至っている。
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