(※解説1)
一般の科学者は自然科学体系を目の当りにすると、その巨大さに圧倒されてしまうのだが、数学者岡潔にかかれば、その自然科学がこのように「手の平」に乗ってしまうのである。
「自然科学の根底がどうなっているのか?」を問題にした科学者など、今往古来一人もいなかったに違いない。20世紀も終盤になってやっと一人日本に現れた、それが岡潔である。
しかも日本の科学者の中で、岡が最も高く評価するのは地球物理学の寺田寅彦(高知県出身)であるが、その虎彦でさえ自然科学を「手の平」に乗せるところまではとても行ってはいない。
まして、ノーベル賞を受賞された歴代の日本の科学者の方々は、誠に失礼ながら西洋人が造った自然科学という大舞台の上で、上手に踊ることができたというだけではないだろうか。岡はその大舞台の床の強度が、既に怪しいと見ているのである。(ノーベル賞に関する岡の発言は、後々ご紹介する予定である)
そういうことで、これから我々も自然科学を「手の平」に乗せて調べるという、岡のこの壮大な探求の旅に着いていってみることにする。
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