岡潔講演録(18):「創造の視座」解説:【1】巻頭言
岡潔講演録(18)
「創造の視座」
人には情緒が大切です。春になれば梅の花が咲くように、心と心のつながりが必要なんです。自他対立しない心と心のつながりが情なんです。自然と心とのつながりもやはり情なんです。
1人1人が個々別々で、天涯孤独であるのは寂しいことだと思います。悲しいことです。人の心の底が冷えきっているんですね。これが現代です。
それを暖めて溶かさねばならない。小我をすてた、真我の世界が「情の世界」なんです。われわれはその世界の中で創造し、まず人が人であるように、日本人の創造の道を求めていかなくてはならないのだと思うのです。
ここではわかりやすい言葉で、岡の基本理念が語られている。これから本題に入っていく訳だが、そこでは「2つの心」の世界観が独創的かつ精密に語られていて、初めて読む方には相当難しくなるのではないかと思うのだが、岡のこの巻頭言ならば極く素直にうなずいてもらえるのではないだろうか。
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