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2017.05.02up

岡潔講演録(26)


「情の世界」

【15】 人類の滅亡を喰い止める

 ここでそんなふうにするつもりで、神々は日本人を長い間教育してきたんでしょう。そして今、もう意識的にもそれを知れとし始めているんでしょう。

 もうここで人がやらなきゃならんのだけど、それは日本人の誰かが、どうせ人が意識的に気付きはじめるでしょう。最初に気付いて、云ったり書いたりする人が出るわけですが、誰が云ったり書いたりするかということは関係のないことです。

 日本人がそれを意識的に知る時期に来ているんでしょう。そうすることによって、神々は人類の滅亡を当分喰い止めるつもりでしょう。

 滅亡の危機が去るのは、欧米人が情が自分であるということを無意識的に知るようにならなきゃ去らないでしょうから、長い年月がかかるでしょうけど、そういうふうな計画なんだと思います。

 釈迦や孔子、駄目だって云うほど無意識的に日本人は高い。情が自分だと無意識的に知るという情、非常に高いんでしょう。

(※解説15)

 この「情の世界」の中で最も注目して頂きたいのはここである。このことはこの「情のシリーズ」の中では、唯一ここでしか語られていないのであって、岡が生まれてきた理由もまさにこれであるだろうし、私が何としても世に伝えたい理由もこれだからである。

 もし日本に神々がいるとすれば、その神々が日本人を長い年月かけて「第2の心」の第8識、第9識、第10識と教育し、向上させてきた目的もここにある。岡がいうように神々にいつまでもお任せするのではなく、まさに「もうここで人がやらなきゃならない」のである。

 また、もう1つ意外に思われるかも知れないところは、「釈尊や孔子、駄目だって云うほど無意識的に日本人は高い」だろう。しかし、岡は第10識「真情」を日本人の心の中にはじめて発見したからこそ、こういうことが躊躇なくいえるのである。

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