(※解説27)
「西洋人は創造が何故できるか知らない」と岡はいっているが、これをいったのは多分人類の中でも岡潔一人だろう。それは何故かというと、「無差別智」の存在を西洋は全く知らないからであるし、もう1つはもう少し後でわかってくるのだが、「真の創造は前頭葉ではなく頭頂葉で行なわれる」という岡の大脳生理も知らないからである。
しかし、「創造されたものを尊重するということを、実によくやっている」と岡のいうように、西洋はオリジナルなものへの敬意と尊重は決して忘れない。これは大脳前頭葉の働きである。「彼等西洋人は学問芸術を命よりも大切なものだと思っている」という岡の言葉もある。
更に「オリジナルなものを生み出すのは、天才でなければできない」という岡の指摘も日本人はよく嚙みしめるべきである。一般の人はみずからが天才を目指そうとするよりも、真の天才を見分けることの方が大事である。「学問芸術は作り出すことよりも、わかることの方が大事である」と岡はいっている。
真の「創造」とは暗闇で関心を長く持続しなければならない厳しい世界であるし、貴重な発見をしても誰もわかってくれない孤独な世界でもある。それに耐えうる人のみが真に「天才」と呼ばれるに値するのであるが、そういう意味で岡潔は桁違いの「大天才」である。
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