「岡潔先生と語る 」(3)- 西洋の真似はやめよ -
【6】 六道を輪廻する心
(男性)六道輪廻について、先生のお書きになった・・・
岡)ええ、六道輪廻ということは本当にある。六道輪廻を見た人はわたし知りませんが、六道、餓鬼道とか地獄道とか、そういうものを実際見て、あると云ってられる方はいろいろおられますが、六道は人道と畜生道だけは肉眼でわかる。しかし他の四道は肉眼ではわからない。しかしこれは天眼でわかる。弁栄上人、その弟子の笹本上人、実際に六道を見て、六道は本当にあると云ってられるんです。また、道元禅師は、六道輪廻が無いというのを撥無因果と云うんですが、因果を認めないと云うんですが、因果は認めなくてはいけない、撥無因果は間違いである、と云ってられる。しかし六道があると云うことと、六道を輪廻するということとは別です。
六道を輪廻するのは第二の心じゃない、第一の心が輪廻する。その輪廻しているのを実際見て、輪廻ということはあると云っている人は、わたしは知りません。これはどういう目で見ればわかるか、やっぱり大円鏡智でしょうなあ。天眼じゃ最早わからんでしょう。しかしややそれに近いことは、釈尊云ってられますがね。
ともかく六道はある。そして六道は天眼でわかる。仏や神々は、正しい意味の神々ですが、仏教で云う天国の神々ではない。そういう低い神々ではない、仏達と云うのと同じ意味の言葉である神々です。神々を見るには、完全に見ようと思えば仏眼がいる。六道は天眼でわかる。だから六道の方が神、仏より身近にある訳ですけど。
|