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2013.7.27up

岡潔講演録(7)


「岡の大脳生理」

【1】脳構造の略図

(※解説1)

 次に「岡の大脳生理」を説明する前に、私から見た大脳の構造を略図で説明しておきたいと思います。先ず大脳を正面から縦に割ると玉葱型に3層になっていて、表面にあるのが大脳新皮質。これは生物の中で最も進化した哺乳類になって発達しはじめる脳です。その下にあるのが大脳古皮質で、両生類のもつ脳。そして最も下層にあるのが大脳旧皮質で、最も下等な魚類のもつ脳となっているのでして、この3層の構造は「生物の進化」の足跡を忠実に物語っているのです。

 そして次に、大脳の構造には実はもう1つあるのでして、人によってはこの2つの構造を混同してしまい整理がついていない人も中にはいるようです。

 そのもう1つの構造とは、最も表面にある大脳新皮質です。大脳新皮質は主に4つの部分に別かれまして、前頭葉、頭頂葉、後頭葉、そして左右の側頭葉となるのです。

 今日の脳科学の方面では猿と人とが唯一、前頭葉を持つものとなっているのでして、猿は前頭葉が発生したばかりで小さく、逆に人はその前頭葉が非常に発達しているということですが、残念ながらその他の新皮質の部分については、分析的局所論としてはいろいろと調べられているようですが、シンプルで総合的な解明にはまだ至っていないというのが現状のようです。

  

 岡はまさにその新皮質の残された部分を、凄まじい直感力と洞察力で次第に追い詰め、解明していったという訳です。

 その解明の道筋を結論からいいますと、機能の一番浅い「機械の座」である側頭葉からはじまって、次に今の脳科学が強調しはじめた「自我意識の座」である前頭葉。ここまでが岡のいう「第1の心」です。そして「第2の心」である東洋の「神秘的深層意識の座」である頭頂葉、最後に日本特有の「情的認識中枢の座」である後頭葉となるのです。それをこれから岡先生の文章を交えながら、順次ご説明していきたいと思います。

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