(※解説3)
ここは「ノーベル賞」についての岡の発言であるが、岡は西洋の自然科学をはじめとする諸学問には甚だ批判的である。それにはそれ相応の理由があるのだが、特にその象徴である「ノーベル賞」には誠に手厳しく、「犬猫の知力」とほとんど同質であるとまでいっている。
これには一般人どころか科学者や知識人にも、とても着いていけるものではないだろう。しかし、その発言は終始一貫していて、別のところで岡はこうもいっている。
「自然科学は猿も使う『生きるための知恵』と同じであって、人が自然科学を持っているということと、猿とは何ら区別のつけようがない。人は『道徳』を持っているから猿とは違うのです。価値判断を間違えてしまっている!」
自然科学が花盛りの今の世相を見るにつけ、岡のいう道徳(人の道)が地に落ちてしまったことに、私は目を覆いたいばかりである。正に現在の人類は、高度な道具に溺れてしまった「狂える猿」ではないのか!
猶、「月へ落っこちる」とはどういう意味だろうか。それは岡潔講演録
(6) の「歌で読みとく日本歴史」の(14)「造化の神々」を参照されたい。
Back
Next
岡潔講演録(11)自然科学は間違っている(4)topへ
岡潔講演録 topへ
|