「自然科学は間違っている」(4)
【4】 無知のこわさ
結局、自然は刹那生滅だと云うことになると、欧米の学問は全て自然科学がもとになっているので、基礎的な価値を持ったものは何1つないことになる。
同時に、人類はずいぶんいろいろ知っていると思っていただろうが、自然が刹那生滅だと云うことになるとほとんど何も知らない、完全な無知とほとんど変わらないと云うことになってしまう。
非常に広々としたところへ出て行ったような気がする。今まで東洋の大先達は心が基だと云い続けて来たが、これをばかにしてまるで聞かなかった。だから、これを改めて、真新しい知・情・意を持って、東洋の大先達の云ったところに耳を傾けなければならない。そうでなければ何も知らないことになる。
何が何だか分かりもせずに機械を使って工業的生産力世界第3位だと云って威張ってみたところで、それがつまりどう云う意味になるのか全く分からない。
自然は刹那生滅であると云った人は大正9年に亡くなった山崎弁栄上人である。弁栄上人はまたお浄土も刹那生滅であると云っておられる。
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