岡潔 「人とは何かの発見」の解説
横山 賢二
はじめに
前回は「自然科学は間違っている」という岡潔先生のいわば「自然観」の解説をお伝えしましたが、今回は方向を変えて「人とは何かの発見」という、多分、今まで誰も想像もつかなかった岡の独創的な「人間観」の方をお伝えしようと思います。
この発見が行なわれたのは、奇しくも心の構造でいうと第10識「真情の世界」を発見した、同じ年の1972年でして、「真情の世界」の発見は「人の心の根底は何であるか」ということが人類史上はじめてわかったものですし、今回の「人とは何かの発見」は人間活動の機構はどうなっているのか、つまり、そのメカニズムが、これも人類史上はじめてわかったものであるといえば良いでしょうか。
この2つの発見は、共に「人間観」の発見であるという点では共通しますが、その人を見る角度の違いから生じたものである、と私は思うのです。
なお、この出典は、岡先生が没した1978年に、わずかに出版された幻の書「岡潔講演集」の中の「おはなし」の一部抜粋です。
目 次(下の項目をクリックしてお読み下さい)
【 1】 生物と無生物
【 2】 老子の自然学
【 3】 造化の冥助
【 4】 人間活動の真実(道元)
【 5】 リンパ細胞の不思議
【 6】 医学的発想の限界
【 7】 創造のメカニズム
【 8】 人の無知無能
【 9】 野球と原稿
【10】 人類の思い上がり
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