(※解説16)
皆さんはどうお感じになるかわからないが、これが岡の戦国の三英雄の評価である。その3人の英雄の評価は、信長、秀吉、家康と3段階にわかれるのである。しかし、「徹頭徹尾、あれでよろしい」といわれる信長でさえ、岡の境地が高まると共にその評価は次第に低くなってくるのである。
ところで岡は若かりし頃の石原慎太郎と何度か対面したことがある。その時岡は石原に「現代の信長になれ!」と叱咤激励しているのである。信長のごとく新しい時代を切り開くため、この不毛の時代をぶち壊せというのである。石原もその意義がよくわかっていたらしく、ご存知のようにその後の政治活動に力が入ったのではないだろうか。
ただ、石原さんは岡の思想は仏教一辺倒だと思い込んでいる節があるが、誠に失礼ながら私にいわせれば岡はどこまでも真に「独創」を追求する人で、なにか1つの思想にいつまでもしがみついているような人物ではないのである。
石原さんは岡の最晩年の超絶した思想が残されているなどとは思いもよらないのであって、それを知らなければこれからの時代を真にリードしていくことなどできる訳がないのである。
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岡潔講演録(17)1969年の質疑応答
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