「創造の視座」
【7】 西洋は時間、空間
それでは西洋は一体どんなふうだろう、西洋は自然をどう思っているか。かように西洋というものを基礎から見直そうと思う。これが自主的に事をするということですね。西洋というものをすっかり見直してみよう。こう思うだけでも、東洋を思い出したという利益はあるわけです。
ところで西洋を見てみますと、西洋の学問、思想の全体は時間、空間という枠の中にはまっている。西洋の学問、思想で時間、空間の枠の外に出たものは1つもありません。つまり時間、空間といういわば箱の中に閉じ込められているようなものです。
カントは時間、空間を先験観念といって、自分はこれらなしには考えられないといっています。こんなにはっきりいったのはカントだけです。しかし、他の人はいわないで、そのとおりしています。
宗教、キリスト教なんかでもその天地創造は、神が天地を創造するよりも前に時間、空間というものがあったと思っています。これはそんなものあたりまえだ、必ずそれがあるはずだというのです。言葉に出してはいっていないんだけど、キリスト教の天地創造というものは、時間、空間の枠の中における天地創造です。こんなふうに西洋というものの全体を見ることができる。東洋というものを思い出す、こういうことができる。またしようと思えば、わけなしにできるのです。
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