(※解説40)
ここから質問篇に入っていくのだが、あまり多くを抽出できないのが残念である。
ここも西洋心理学とのギャップを、我々は思い知らされるところではないだろうか。インドで発見され這うことと吠えることしかできなかったオオカミ少女「カマラ」なんかの話も、第1の心の「自我」の形成に支障があるということであり、考えてみれば西洋人にとっては当然のことである。
これは植物でいえば、地上部分が大きく繁茂しているのが人であるという、西洋型の人間観からきているのである。しかし、本当の人とは地下茎の第2の心であるから、カマラの場合は異例であるから果たしてどうかわからないが、表面の第1の心を見るだけではいけないと岡はいいたいのだろうか。
実際、岡の家で飼ったことのある犬(これは写真によく出てくる岡とジャンプする犬)や猫(ミルといって岡の左肩によくとまった猫)の内面は、「懐かしさと喜び」の世界だったと岡はいうのである。これは他の一般のペットや動物を見ても同じではないだろうか。
Back
Next
岡潔講演録(18)創造の視座 topへ
岡潔講演録 topへ
|