(※解説2)
皆さんは「日本」というと単純にイメージされる方が多いのではないかと思うのだが、実は日本は世界文化の坩堝といわれるくらいで、非常に複雑な要素がまじりあった国柄なのである。
ここで岡がいうように、今日の日本は有史以前の純粋な日本の上にペンキを何度にも塗ってあって、大概の人はその上に塗ったペンキの色を本来の日本だと思い違いしている場合が多いのである。
岡は日本民族の中核であってそのことが直観的にわかるものだから、そのペンキの層を1枚1枚はいでいこうとしているのである。特に我々の最も大きな思い違いは、「意志と力」の思想である西洋はいうに及ばず東洋と日本とを混同しているところである。
例えば、インドで生まれた難行苦行に厭世()主義の「仏教」、中国儒教の形式主義で権威主義の影響のある「武士道」、東洋思想全般に共通する「男尊女卑」など、現在伝統的日本文化だと思われているものは、実は「東洋」に由来するものが多いのである。それを見極めて初めて「日本がわかりました」と岡のようにいえるのである。
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