岡潔 「1971年度京都産業大学講義録第6回」の解説
講演日 :1971年6月15日
横山 賢二
はじめに
前回は「人は1日1日をどう暮せばよいのか」という我々にとって日常的で切実な問題を取りあげたのだが、今回は「日本がわかるヒント」からはじまる講義である。
実は残念ながら後半の録音が採れていないため、どのように日本がわかったのかある程度推測はつくものの正確にはわからないのだが、その講義の前半だけでも「今日の学問」を根底から批判するという大変スケールの大きい意義あるものなので、敢えてご紹介するのである。
ただ、岡が黒板に書いた板書から推測すると、後半は和歌や俳句によって日本歴史をたどった上で、「日本とはこれだ」と結論しているようである。
しかし、まだここでは「日本の心」を「心の構造」に還元して、理学的に把握するところまでには至っていないようで、寸前のところまできているものの、その発見までにはこの後半年を要するのである。
目 次(下の項目をクリックしてお読み下さい)
【1】 日本がわかるヒント
【2】 ペンキで塗る
【3】 宣長の「うひやまぶみ」
【4】 禅の非思量
【5】 西洋の学問
【6】 数学や物理学
【7】 科学の消滅
【8】 生命現象
【9】 人類の夜明け
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