「1971年度京都産業大学講義録第6回」
【8】 生命現象
もう一つは、6つの目、五感と理性、簡単に理性と云いますが、本当は大脳前頭葉と云う目ですね。この6つの目で時間空間という枠の中をいくら丁寧に、いくら時間をかけて調べても、『生命現象』というもののかけらもわかって来ない。これを教えた。
これは4、5百年かかって、非常に手間をかけた。実際やってみたところ、人はなぜ見えるのか、なぜ立てるのかと、そう云う生命現象のいろはである知覚運動についても、全然わかって来ないということが実証された。もう大抵これで凡夫もわかるだろう。本当に大事なものはこんな中にはないのだ、ということを。
東洋の大先達は、そればかり教えたと云ってよろしい。だのにどーしても馬鹿なことを止めない!これ、馬鹿なことをしたら無駄じゃありませんよ、自滅なん!
だから非常に人類にとって大きな功績のあることを西洋人はしたのですが、西洋人自身は自分のしたことに少しも気が付かない。何をしたのか全然気付かずにいる。こういうもんです。それがわかったら、今後は学問とは西洋の云うような内容のものでは有り得ない。言葉を全然変えなきゃいけない。
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