(※解説5)
ここでは情の融合、つまり情が溶け合うことをいっている。知や意は融合することが難しい。岡によればそれはできないことではないが、仏教の修行の例などから、それには非常な意志力がいる。いわゆる難行苦行すれば、ある程度その力はつく。
しかし、情は力などを使わなくても融合するのである。むしろ力などを排除して、情が純粋になればなる程それは可能である。どうしてかというと、情のみが透明な液体だからである。
心の要素の中では、知は強いていえば結晶体であり、意は更に固い固体という気がする。だから両者とも融合は難しいのである。
また、ここで重要なのは、「情の場合は内容が同じでなくとも、情を合一することが出来る」といっているところであって、私も経験があるのだが、日本人の心はこういう方式で繋がっていくのではないかと思うのである。情はたとえ情の内容が違っていても融合できるのである。
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