「情の世界」
【12】 神々の長い教育
情が自分だと日本人は無意識的にわかっている。意識的にはわかっていない。しかし、ものをちゃんとわかる為には、意識的にも無意識的にもわかり、両方しなきゃ不充分でしょう。
この時人に出来ることは、わかってない人を意識的にわかるようには出来る。しかし、無意識的にわかってない人を、無意識的にわかるようには出来ない。これはやりようがない。
だからアジアの中で日本だけが、情が自分であるということを無意識的にわかっているというのは、この土地の人々だけに神々が長い間教育したとでも考えなければ、考えようがない。ともかく、これはそういう言葉で云って一向にさしつかえのない、注目すべき現象です。
無意識的にわかっているのでなければ、急にどうにもならない。日本人はそれが無意識的にわかっている。
世界の文明というのは文明以前、人の住める文明じゃない。こんなもの、放っておいたら仕方がない。その為には情を自分だと教えるより仕方がないんだけど、その時無意識的にも情を自分だと思えるようになるまで本物じゃない。
まあ、当分の間は、意識的に情が自分だと思えるようにすることです。その為には、無意識的に情は自分だとすでに思っている日本人に、意識的に情は自分だと教えてやることです。
この頃の日本をみてみますと、これが人類の今の文明だ、実にひどいと思うでしょう。これが大脳前頭葉の世界です。これがいかに恐るべき世界であるか、知らなきゃいけません。これは上手に使わなかったら、まことに恐ろしいんです。
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