「情の世界」
【13】 公害をなくすには
日本人は真情の世界に住んでいる。それを一口で言葉で簡単に云えばどういう世界かっていうと、懐かしさと喜びの世界です。
赤ん坊は生後3ヶ月は、懐かしさと喜びの世界に住んでいる。私の4番目の孫は、だいたい生まれた時から絶えず同じ家に住んでいる。それで、心の生い立ちを初めてみることが出来たんです。
生まれてから3ヶ月は懐かしさと喜びの世界に住んでいる。これはほねおって、そこから出やしないかと絶えず見守っている。
別にどうしたっていうんでもないんですが、出たら何んとかしようと思って見守って、今ここまできたんです。懐かしさと喜びの世界にずっと住んでそこから迷い出さないようにして、成人式までもっていってやろうと思う。これが教育の根本です。
各家庭がこれをやってくれたとするでしょう。そうすると70年たてば、日本の国の濁りはほとんど取れてしまう。総ては自ずから良くなるというか、万事はそれからだと云うか、ともかく公害なんかで例えば淀川なんかのきたない濁りがどうしても取れない。何故取れないかというと、人の心が濁っているから。公害をなくそうと思えば、情の濁りを取ってしまうことです。真情の濁りを取ってしまうことです。
公害だけじゃない。総てがそうですが、もし各家庭が生まれたままの懐かしさと喜びの世界に、その子が住むということを失なわないで成人式までもっていってくれたら、そういうことを70年すれば、この国の濁りはきれいに取れる。
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