(※解説4)
岡は岡からみた「真如」の世界を詳細に描写したあと、仏教が説く「真如」の上にさらに岡が発見した「真情」があることを、ここで断言しているのである。
そうすると仏教の大反対に会うだろうというのだが、大反対に会おうと会うまいと、未知なるものを発見して人跡未踏の「真理」を伝えることが、科学者岡潔の一貫した立場なのである。
実際、岡は初期の一連の著作では仏教の世界観によって物事を考えていたのだし、岡の思想をわかってくれる可能性のあるのは、仏教を学んだ人に多いことも重々承知の上でのことなのである。
しかし、岡のこの発見によって「日本の心」と仏教の世界観とは次元が違うということも初めてわかってきた訳で、この原理によってこれからの人類の大転換の可能性も生まれてくるのだから、たとえ仏教の大反対に会おうとも「致し方ない」と岡は考えていたのである。
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