(※解説7)
日本に神々がいるということについて納得する人もいるだろうが、とても納得できない人もいるだろう。また日本人は第10識「真情」に住んでいるということについても、やはり納得する人もいれば納得しない人もいるだろう。
しかし、それらの前提を一応認めてもらって考えるとして、岡のいう「肉体を持って教育したら、意識的にわからすことは出来ますが、無意識的にわからすことは出来ない」という指摘は大変おもしろい。「無意識的」にわからすためには、外からではなく「心の底」から働きかける以外の方法はないからである。
我々が戦後受けてきた教育は外からの教育である。「意識的」にわからすことしかできないのである。だから岡がいうように今日の教育がいくら目茶でも、また社会通念がいくら狂っていても、第10識「真情」を無意識的にでも知っている日本人は、おかしいのは外見だけだと岡は断言するのである。
それが証拠に諸外国からの「クール・ジャパン」の理由を考えてみればよい、穏やかで平和で安定した日本社会を見直してみてもよい、幾多の災害から一致協力して立ちあがる日本人の姿を思い出してみても、やはりうなずけるのではないだろうか。
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