「情の構造」
【8】 アラヤ識(童心、第3期)
それから、次は生後1年11ヵ月から2年5ヵ月ぐらいまで。2年5ヵ月すむと童心の季節が終わるんです。童心の季節というのは自我のまだ出来ない季節です。それ、だいたい2年5ヵ月です。1年11ヵ月から2年5ヵ月までの間、この一番の特徴は、心と物とが出来ることです。赤ん坊の心の中に心と物との二元が出来る。
この1年11ヵ月を過ぎますと、急速に赤ん坊の心がわかりにくくなっていく。1月ほど経った時、実にわからなくなったなあと思った。それまでよくわかってたと思っていた。それが非常にわからなくなっていったなあと感じました。それまで心というのは流動体のような感じだった。それがなんか固くなって、半流動体になった。そういう感じがしました。知とか意とかがはっきりみられるようになるのは、矢張り童心の季節の第3期にはいってからです。その他にもいろいろ有りますが・・・。
仏教は人の心は ― 衆生の心は、物と心との二元に分かって相対的に見ている、しかし如来は絶対者だから、総てのものを絶対とみている。物と心と区別してみない、そい云っています。そして、衆生の心のあるところをアラヤ識と云っている。ちょうどそうなる。これがアラヤ識です。アラヤ識と名付けたらいい。
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