「情の構造」
【12】 心の基本地図
だいたいこれが基本の地図です。基礎的知識体系に暫くかえるもの。いろんなこと、みなわかるんですよ。例えば、どういう国をつくることが理想なのか。真情と云ったら懐かしさと喜びの世界でしょう。だから、懐かしさと喜びの世界なら、出来るだけ物質的に表現すればいい。
また、肉体は物質だから死にますが、真の自分というものは真情だから、これは死にはしない。赤ん坊を見ればよくわかります。あらわれた時から情は出来上がってしまっています。だんだん出来ていくんじゃない。
もう、始めから懐かしさと喜び。これを不生と云う。生じたものではない。いくら遡っても、ちゃんとあるものである。不生なるが故に不滅に決っている。こういう論法で、人は不死だと云うんですね。その不生は赤ん坊を見れば明らかですが、情は初めから出来上ってしまっている。それが自分だから、不生だから不滅と仏教は云っている。
とすれば、今日本で普通やってるような、会社へはいって、ある地位を占めて、それに相当する月給をもらって、だんだん地位が上がって・・・。だんだん月給を余計もらってというふうな生涯を送ることは、全然時間の浪費だから、これは意味のないことです。これを繰り返すんだとしたら、こんな馬鹿なものを繰り返したって、何等得るところがない。
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