「真我への目覚め」
【24】 側頭葉と前頭葉
どんなふうにわかったかといいますと、自然が人に伝わるのに2段階ある。最初は大脳側頭葉に伝わる。それは感覚としてわかるのです。自然とか人の世とか、外界が伝わるのに最初は感覚としてわかる。そして、その次に大脳前頭葉で受け止める。この大脳前頭葉は、感情、意欲、創造の働きをする。創造とは、クリエートするという働きです。
普通、人が自分と思うのは小我、つまり肉体とその機能と申しましたが、もっとはっきり言いますと、自分の肉体、自分の感情、自分の意欲、それを自分と思う。それで非常に自我が強いと、自分の感情、自分の意欲という、その小さな感情、意欲が強くて、大脳前頭葉はそれで満たされてしまう。そんなところには人の世や自然のような大きいものは映らない。外界が伝わるのは、感覚までで止まる。欧米人は、自我が非常に強いからそうなる。
ところが日本人は ― 明治までの日本人は特にそうですが ― 真我が自分だと思ってれば、もちろん、自我なんてありませんし、そうでないにしても自我は非常に弱い。それで、大脳前頭葉にまで外界が伝わりうる。伝わりうる場合は、第2段階として大脳前頭葉で受けとめる。そうすると情緒になるのです。情緒というのは、時として、非常に強い印象を与える。
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