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2023.02.13up

岡潔講演録(29)


「岡潔先生と語る」 (1)- 東洋と西洋の融合 -

【13】 仏教では日本民族は団結しない

 (男性)先生、仏教は第二の心の世界に住みなさいと云っておりますね。それで今までのお話ですと、日本の本当の民族精神も、実はその世界の中に住んで、その世界の中で行為せよと・・・

 (岡)どうもそうらしい。万葉の優れた歌をみると、第二の心の世界で詠んでます。これは仏教に学んだんじゃない。

 (男性)それでですね、先生が現状の日本を憂える時にですね、仏教ではなく神道でなければいけないと云われるのは・・・

 (岡)神道でなきゃいけないって云やしませんが、伊勢神宮を大事にしてもらいたい。

 (男性)私は先生のおっしゃる第二の心というふうなものはわかっているつもりですが、日本の現状を考える時、同じ第二の心であっても、日本民族の心情の調べという形の中、つまりそれを代表させる場合は神道という形のものをあえて力説される・・・

 (岡)神道なんて難しいこと云やしません。神っていう言葉を復活させてもらいたいと思ってる。神という言葉無しには伊勢神宮を大事にするということはない。

 (男性)日本民族にとっては伊勢神宮が大事だと・・・

 (岡)大事ですよ

 (男性)仏教のいわゆる如来だとか仏とかいうふうな形ではですね、これはつまり、まあ、仏教の経典はですね、インド人の為に・・・

 (岡)仏教によって日本民族を団結させるということは出来ないと思うんです。万葉の優れた歌、芭蕉の優れた俳句、誰がみてもこれはよいんです。その二つのものをよく調べてみると、自他対立ということがないんです。かなり自他対立があっては駄目だということには根拠があるでしょう。もうこれ以上強い根拠って有りゃしません。

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