okakiyoshi-800i.jpeg
2017.11.09up

岡潔講演録(28)


「岡潔先生と語る」 (1) ― 東洋と西洋の融合 ―

【17】 「神」について

 (男性)僕は京都産業大学の学生の者ですけどもね・・・(笑)

 (岡)ああ、ええ! あのね、京都産業大学で僕教えてるから例に引きましたけどね、他の大学と比べて京都産業大学はよっぽどいいんです。(爆笑)

 (男性)先生のお話の中でね、神々と云われましたですが、その神々としては、先生の本を読まして頂きましたところでは、楠正成とか正行とか・・・

 (岡)ええ、あれは神々でしょうな。

 (男性)僕は神は今の天皇陛下一人でいいと思います。

 (岡)天皇陛下が神ですか?

 (男性)僕は神と思っています。僕等は天照大神の赤子(せきし)であって、先生の云われるような、死んで神になると云うのは、それは当然の行為だと思います、僕としては。

 (岡)それで?

 (男性)先生は神々と云われますけど、僕自身としては・・・

 (岡)無量の神って云うんです。あなたが立ってそういうことを云ってる、これも神々の計らいだというふうに思うんですね。そういう使い方するん。

 (男性)それを僕としてはそれは当然だと思う訳です。

 (岡)いや、あなたが立ってそういうことを云ってるのは神々が云わしてるんだ、と云うのが当然だって云うんじゃないでしょう。

 (男性)ええ、それとは違います。

 (岡)違うでしょう?

 (男性)ええ。

 (岡)わたしはねえ、日本民族の滅亡だけは何としてでも食い止めたいと思う、これは確かにわたしにその一念があるんです。これは確かです。一切のことは肯定と否定との間の原理によって、それに一寸でも役立つと思うことをいろいろ云ってるんです。

 わたしはわたしの云い方をしてるでしょう。日本民族の滅亡を食い止めるに役立つと思うから神々と云ってる訳です。大体、神無しと思うのがいけない  天皇陛下だけが神だっていうふうなことを云ったら、戦前の思想だって云ってみんな聞かんでしょう。

 (男性)いや、僕はそれは一人でいいと思います。それで要するに、死んでいった英霊とか、ああいうのは、僕としたら当然の行為だと思うんです。

 (岡)けど、そう云ってはみな聞かんでしょう。

 (男性)ええ、聞きません、損です。

 (岡)だからそう云わんのです。

 (司会)時間もまいりましたので、今日はこれで終わりたいと思います。長時間どうもありがとうございました。

 (拍手)

Back   


岡潔講演録(29)「岡潔先生と語る 」 (1) ― 東洋と西洋の融合 ― topへ


岡潔講演録 topへ