(※解説3)
「大日本史」はご存知のように水戸光圀が編纂した歴史書で、岡が高く評価する楠正成、正行()の史実がその中には描かれており、岡の支援団体である「葦牙会」でも一時皆で確かに読んでいたということである。
今でこそ人々の日本歴史への関心は高まってきたのだが、アメリカ文明が氾濫の極みにあった当時にあっては、何とかしてこの格調高い日本歴史を若い人々に伝えようとする岡の苦心の跡がここに伺える。
当時の「葦牙会」の中でも優れた見識を持った人は少なかったようで、日本歴史や日本の古典(古事記、万葉、芭蕉)に少しでも親しませようと、岡は「あの手この手」と考えていたのである。
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