okakiyoshi-800i.jpeg
2014.11.15up

岡潔講演録(12)


「人類自滅の危機」

【3】 大日本史

 こんなん全く新しいですよ、僕にしたって。それで、そっちから降りたりしていろいろするんだったら、葦牙会で大日本史読ますったら、読みゃせんから、ジャパン、ヤングメン、コンパニー「J・Y・C」という会に変えて、そこで大日本史読めったら、これ仲々おもしろいなあと、今日、入る時に考えて来た。アッハハ。まあ、そういう、一晩寝たらこんなん。もうほとんど古事記の作者であり、往昔の日本民族くらい捕らわれてないよ。葦牙会として括弧して、「J・Y・C」としたら驚くぞ、皆。

(※解説3)

 「大日本史」はご存知のように水戸光圀が編纂した歴史書で、岡が高く評価する楠正成(まさしげ)正行(まさつら)の史実がその中には描かれており、岡の支援団体である「葦牙会」でも一時皆で確かに読んでいたということである。

 今でこそ人々の日本歴史への関心は高まってきたのだが、アメリカ文明が氾濫の極みにあった当時にあっては、何とかしてこの格調高い日本歴史を若い人々に伝えようとする岡の苦心の跡がここに伺える。

 当時の「葦牙会」の中でも優れた見識を持った人は少なかったようで、日本歴史や日本の古典(古事記、万葉、芭蕉)に少しでも親しませようと、岡は「あの手この手」と考えていたのである。

Back    Next


岡潔講演録(12)人類自滅の危機 topへ


岡潔講演録 topへ