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2013.11.30up

岡潔講演録(9)


「自然科学は間違っている」(3)

【7】 世界の流れと有時

 個人について有時と言うと分りにくいですが、世界全体の流れている時について言うと良く分ります。今は有時です。中までぎっしりつまっている。世界は革命を欲している。これはどういう風な欲し方かと言うと、今から15年位前に太陽の磁場が180度回転した。その為地球の磁気の調和が狂ってしまった。そのため、それ以後四季が不順なんです。

 冬はほとんど雪が降らず、春は春雨小休みなく降り続くように降るということなく、梅雨が来ても、佐藤春夫が言った様に、くされ、くされ、みんなくされ、おまえの頭が真先にくされ、と言う様な梅雨は降らない。それから夏が来ても白雨一過という、涼しい夕立の面影がない。秋が来ても、芭蕉一門が非常に喜んだ、何だか過去世が懐しくなるような時雨というものが降らない。雨一つみても四季はこんなに崩れてしまっている。

(※解説9)

 ここまでのところは以前に発表した「自然科学は間違っている」(1)と同じような内容ですが、これからが岡の資料の中でも唯一独特のところです。

 「太陽の磁場」について岡は言及していますが、現在も再び太陽の磁場に大きな異変が起きているようです。これは岡のいう季節感どころか、地球規模の異常気象(否、これはもう既に「天変地異」と呼んでもよいかも知れない)の主要因の1つではないかと私は推測しています。

 今から思えば、岡が人類に警鐘を鳴らした1970年前後は、実は目には見えない心の世界、本質の世界での「乗るか反るか」の大転換点であったのですが、現在はそれを通り越して、誰の目にも現象として見えるところまで来てしまっている、ということでしょう。

 40年前に気候の不順を嘆いた岡は、今猛威をふるっている「天変地異」を見て果たしてどう言うだろうか。その答えは決まっています。「今ごろ騒ぐのは、もう既に手遅れ!」

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