岡潔 「人とは何か」の解説(抜粋)
講演日 :1969年5月11日
於 大阪船舶ビル
横山 賢二
はじめに
今までの解説は主に岡の晩年未発表のものをご紹介して参りましたが、今回は岡としては最終の出版となった「神々の花園」の1つ前の出版である「曙」に「人とは何か」という1章がありまして、実はこの章の前半の部分を「自然科学は間違っている」(1)で既に一度ご紹介したのですが、この「人とは何か」は岡の1969年の発言の中ではどうしても欠かせないものと思いますので、私が書き起こした原稿をもとに再度取り上げ、皆さんにお伝えしようと思います。
その「曙」というタイトルですが、そのタイトルはその頃の岡の心境を如実に物語っていまして、岡はある録音の中でそのタイトルの意味を聞かれると、「それは曙の景色だから、書いてある内容が。外の景色が少うし見えはじめた。それ以前は決して見えてません!
私がそうなんです!」といっているから、この1969年という年は岡にとっては全く新しい世界が眼前に開けはじめた画期的な年といえるのです。
従って人類の大転換点である今日、我々はこの1969年の岡の「2つの心」の世界観を基にして今までの人類の文化文明を総決算し、これからの人類の進むべき道を腰をすえて考え直さなければならないと思うのです。
目 次(下の項目をクリックしてお読み下さい)
【1】 証明「2つの心」
【2】 第2の心と大脳
【3】 泥洹宮
【4】 百姓のまごころ
【5】 トランジスターの女工さん
【6】 自作自受と学問芸術
【7】 小林秀雄の死の位
【8】 太陽と月の神
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