岡潔 「1971年度京都産業大学講義録第23回」の解説
講演日 :1972年1月11日
横山 賢二
はじめに
この講義は既に1972年1月のものであるから、前回までの講義で「情の世界」の解明が次第に深まりをみせ、3年にわたって続いてきた「2つの心」の世界観から、遂に第10識「真情の世界」の発見の寸前のところにまで来ているのである。
そういう意味ではこの講義は「2つの心」の世界観を更に越える、人類始まって以来の思想が誕生する前夜を思わせるものであって、各々のテーマの格調の高さもさることながら、岡のこの3年の思考の集大成でもあり、また何か「春を待つ気分」の漂うものとなっている。
猶、余談ではあるが次の解説からは、私が何としてでも世に伝えたいものであり、また現在大転換点にきている人類にとって必要欠くべからざる思想、第10識「真情の世界」の世界観を正面に据えて取り上げていく予定である。
目 次(下の項目をクリックしてお読み下さい)
【1】 情がわかる日本人
【2】 東洋の慮知心
【3】 表層意識と深層意識
【4】 胸中、心中、腹中
【5】 不生不滅とは
【6】 印象と感銘
【7】 生まれて3月
【8】 熊谷守一()の絵
【9】 仙人の書「抱朴子()」
【10】 芭蕉の2句
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