岡潔 「秋が来ると紅葉」の解説(抜粋)
講演日 :1969年9月29日
於 東京虎ノ門 船舶会館
横山 賢二
はじめに
早いもので私のこの解説も、この3年の間に15回を数えるこことになった。今回の「秋が来ると紅葉」は私が岡家からもらい受けてきた20本程のテープの中でも、私が最も好きなものの1つであって、その当時私はこのテープを通勤の車の中で何度も何度も繰り返し聞いたものである。そういう意味で今回の解説は、私にとって一層感慨深いものがある。
さて、この15回目にちなんで、私が協力を頂いている方々をここでご紹介しておきたい。先ず、同じく高知出身で奈良在住の松澤信夫先生である。先生は生前の岡と行動を伴にするなどされた方で、岡の没後はサラリーマンをしながら岡の全ての録音テープの文章化を手掛けられ、岡の資料編纂の第一人者といえる人である。この解説のためにも、いろいろとご助言を頂いている。
そして2人目は、京都大学出身の理学博士ではあるが、東京から土佐に帰り独力で自然農法を実践している吉井浩一君である。彼が農業のかたわら、私が苦手なインターネットへ私のかわりに解説を載せてくれているのであって、彼がいなければこの解説も日の目を見ることはなかったのかもかも知れない。
吉井君はお母さん(吉井千恵子さん)の長期入院の介護のために、東京の職を辞すことを決断したのであるが、そのお母さんも病院のベッドの上で私の手書きの原稿を、インターネットに載せられるように丹念にキーボードを打ってくれているのである。私は病院で原稿を渡すたびに、逆に励まされ力づけられていることを改めてここに感謝したい。
猶、「秋が来ると紅葉(します)」は正確な講演のタイトルの記録が残っていないため、冒頭の言葉1つで話の内容が決まってしまうと岡のいう、このお話の出足の言葉を、あえて私が便宜上つけたものであることをここでお断りしておく。
目 次(下の項目をクリックしてお読み下さい)
【1】 消極的な利己主義
【2】 ショーペンハウエルの意志
【3】 ヘーゲルとマルクス
【4】 後頭葉のアメリカ色
【5】 共産主義批判
【6】 アメリカとの関係
【7】 世界大戦の予想
【8】 世界情勢
【9】 喜びと懐かしさ
【10】 数学上の発見
【11】 アルキメデスとポアンカレー
【12】 欧米人の潜在識
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