岡潔 「嬰児に学ぶ」の解説(抜粋)
講演日 :1969年10月26日
於 足利市民会館
横山 賢二
はじめに
前回の前書きでは、現在この研究会にご協力頂いている方々をご紹介したのだが、今回は今日までにご支援頂いた方々を極く簡単にではあるが、思い出してみたい。
先ず、私の母校である高知学芸中学、高校の建学の父、内田八朗先生である。私は岡潔と出会う前から、この日本文学の先生である内田先生に習ったのであるが、当時の社会の潮流に流されて西洋ばかり向いていた私の目を、日本に向けさせてくれたのはこの先生であった。私が岡潔をわかる下準備は、この先生がしてくれたものと感謝している。
次は私が42才の時、全てを捨てて岡潔研究会をはじめた矢先、運命的に出会った土佐の良寛、大野長一先生である。私はこの先生に3年半の間、カバン持ちとしてご指導頂いたのであるが、思想家として、養護教育者として、また画家としての先生の「生き様」から、1つのことを倦まずたゆまず貫き通す生き方を学ばさせて頂いた。私はこの先生に「よし、この道を行け!」と背中を叩かれたものと今も思っている。
最後に、大野先生亡きあとの10年程、研究会を支援してくれたのは、土佐黒潮鉄道社長であった甲藤義信先生である。研究会の会員が少ない中、私は甲藤先生の田舎風のお宅におじゃまして、熱烈に語り合うのを唯一の慰めとしていた。「日本はいつ目覚めるのだろう!」と亡くなられるまでいっておられたのを今思い出す。
目 次(下の項目をクリックしてお読み下さい)
【1】 消えざるものはただ誠
【2】 意識を通さないでわかる
【3】 古代数学のはじまり
【4】 ソクラテスの道徳観
【5】 孔子の仁と義
【6】 老子の如()
【7】 天皇無所有の思想
【8】 茫然自失のはずの物理学
【9】 日本の知識階級
【10】 成壊()の劫()
【11】 日本文明を起こそう
【12】 晩年の三部作
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