岡潔
「歌で読みとく日本歴史」の解説
横山 賢二
はじめに
前回は「人とは何かの発見」
という岡潔先生の人間観をお伝えしましたが、今回は日本歴史の本流を和歌や俳句によって辿るという、非常にユニークな方法による岡の歴史観の方をお伝えしようと思います。
本来であれば日本歴史という
と、全集本が何巻にもなるのが相場ですが、ここでも岡先生は例のごとく歴史全体を一掴みにしてくれていまして、我々には日本歴史の流れが一目でわかる非常にシンプルで核心を突いたものとなっています。やはり何でもそうですが、先ず骨格を掴むことさえできれば、細部が非常にわかりやすくなるのは道理です。(大円鏡智)
さて、岡先生はここでも心の 構造を念頭において日本歴史の流れを見ていっているのですが、実はこのお話は3つの別々のお話を私が1つにつなげたものでして、第1部の「明治文学者の心」(出典、日本民族の危機)では明治以後の日本人の心の有様を説き、第2部「神代
(かみよ)の 文化」(出典、昭和への遺書)では仏教伝来前から明治に至るまでの日本人の心の変遷を説き、更に第3部「日本歴史の概要」(出典、1974年テープ)では
岡先生の持論である有史以前の30万年に及ぶ日本人の心の変遷を説いてくれている訳でして、このような独創的でスケールの大きな日本歴史は、岡先生の他の分野の発見と同じく私は他に見たことがありません。
目
次(下の項目をクリックしてお読み下さい)
第1部「明治文学者の心」
【 1】 明治以後の文学
【 2】 万葉集
【 3】明治以後の政治経済
第2部 「神代の文化」
【 4】 神代調(かみよちょう)
【 5】 仏教の欠点
【 6】 武士道
【 7】 明治までの時代の流れ
【 8】 植物の喜び
【 9】 高知の宿
【10】 高天が原
【11】 幽玄の美
【12】 天意の雪嵐
第3部 「日本歴史の概要」
【13】第10識、情の民族
【14】 造化の神々
【15】 古代日本民族
【16】 神武天皇時代
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